シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
「潰したいなあ…」
周涅は目を細めて。
「生意気な奴らは、ぷちっと潰したいなあ……。まあ紫茉ちゃんは、殺しはしないけれどさ、妹だから」
話が…通じない?
「仲間だとか、友情だとか、愛情だとか。そういうの大嫌いなんだ、周涅ちゃん。そういうの見せ付けるなら…本気出すよ?」
ぞくり。
悪寒が背筋を駆け上る。
「守ろうなんて、馬鹿げたこと…しないでよね?」
そのタイミングで。
「見せ付けた順に、殺していくから」
ああ――
あの馬鹿ワンコ。
ぴくりと指を動かしたんだ。
幼馴染のあたしだから感じる、煌の生還。
飛びついて喜びたい。
だけど今は駄目だ。
周涅が動く。
久涅も動く。
だとしたら――
「じゃあ…あたし達に絶望感を味あわせたらいいじゃない」
あたしは煌の元に駆け寄り、微動する煌の顔を隠すように覆い被さった。