シンデレラに玻璃の星冠をⅠ

そんな時だ。


急ブレーキがかかると共に、朱貴が声を荒げたのは。



「間に合わないッッ!!! 車から出て全力で逃げろッッ!!!」



は!!?



反射的に、車から飛び出た俺達の目の前で――


赤銅色のベンツが……


「何だよ、この――鉄球は!!!?」



小猿の甲高い声。



ぐしゃりと潰れていた。



「正確には…鉄球クレーン車の一部が倒れてきたんですッッ!!!」


朱貴が叫んだ。


「な、なななな何でそんなもの…」


芹霞の顔は引き攣っていた。


それを無視したように、朱貴の舌打ちが夜空に響いた。


「この気配は…《妖魔》!!!?

しかもこんなにッッ!!!

"繋いだ"のか、此処に!!!」


何だか判らないことを朱貴が叫んだ時、空に目映い光がちかちかと光って、耳をつんざくような…派手な発砲音が伝わってきた。


閃光弾!!?



「ねえ…あれ!!!」


芹霞が、先にある光を指差した。


「あれ…桜ちゃんに見えない!!?」


目を懲らせば…小さいものがぴょんぴょん飛び跳ねている。


「間違いねえ、桜だ!!!」


ということは…櫂達も此処に!!?



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