シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
「男だとか矜持だとか…そんなの判らないよッッッ!!!」
「はは…お前の中の俺は…"男"じゃねえってことか。
結局…望んでも、何も変えられなかったということか…」
それは自嘲気な笑いで。
「変えたじゃない、煌は!!! 少なくとも昔は、煌にどきどきして意識したことなんてなかった!!! もっともっと…変えていってよ、煌!!!」
「……。はは…破壊力ある…嬉しい言葉だな」
どんな言葉も…煌には素通りで。
そして――
「なあ芹霞。
櫂や緋狭姉に伝えてくれよ、今までありがとうって」
「やだ…やだよッッ!!!
自分で言えばいいでしょう!!?
何でそんなこと言うの!!?」
「俺――
やっぱりもう…お前の傍にいられないんだ」
あまりに頑な過ぎる煌。
「時間がねえ」
「……え?」
途端煌は口に手をあてて、顔を歪めた。
「煌――?」
「来るな、……がはっ」
屈んで――吐いてる?