シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
 

「男だとか矜持だとか…そんなの判らないよッッッ!!!」


「はは…お前の中の俺は…"男"じゃねえってことか。

結局…望んでも、何も変えられなかったということか…」


それは自嘲気な笑いで。


「変えたじゃない、煌は!!! 少なくとも昔は、煌にどきどきして意識したことなんてなかった!!! もっともっと…変えていってよ、煌!!!」


「……。はは…破壊力ある…嬉しい言葉だな」


どんな言葉も…煌には素通りで。



そして――


「なあ芹霞。

櫂や緋狭姉に伝えてくれよ、今までありがとうって」



「やだ…やだよッッ!!!

自分で言えばいいでしょう!!?

何でそんなこと言うの!!?」



「俺――

やっぱりもう…お前の傍にいられないんだ」


あまりに頑な過ぎる煌。



「時間がねえ」


「……え?」



途端煌は口に手をあてて、顔を歪めた。



「煌――?」


「来るな、……がはっ」




屈んで――吐いてる?

< 1,103 / 1,192 >

この作品をシェア

pagetop