シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
「嘘、何で煌が!!!!?」
そんなものを体内に寄生させる煌が、その身体が…無事だと言えるはずがない!!!
幻覚の中で食欲旺盛だったあの蛆が…煌の体内を食らい尽さないとは言えない。
「助けて、ねえ…煌を助けてよ、出来るでしょう、あんた方なら!!!」
だけど――
朱貴も銀色氷皇も…動く気配を見せなかった。
「芹霞…。言っただろ、朱貴が。
"手の施しようが無い"って」
そうあたしを見るその青白い顔が、
まるで死んでいく人がもつ色のように見えて。
どうして、煌が…。
どうして、どうして!!?
そればかりが頭にぐるぐる回り、ただわんわんと泣き叫ぶ。
「煌、煌ッッッ!!!」
その名を呼ぶしかできなくて。
あたしはあまりに無力すぎて。
「離れろよ…。お前まで移ってしまったら…」
煌があたしを突き放そうとする。
だからあたしは――
「!!!!?」
煌の唇に…
自分の唇を押し付けたんだ。
何でこんなことばっか。
あたしだって女の子なのに…そう思う自分もいるけれど。
だけどこれは必要だった。
煌は顔を背けようとする。
あたしはそれを許さない。
そして背ける理由が――
判った。
蠢く。
煌の…口腔内に上ってくる何かの感触。