シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
「………櫂」
玲が青い光を乱発しながら、表情を凍らせて言った。
「煌の忠誠心と、お前に対する愛情を…忘れるな。
煌は単純な思考の持ち主だけど…信念だけは貫く男だ」
俺は頷きながら、緑の風の力を放出する。
「お前を助ける為に、命を投げ出せる男だ」
俺は頷いた。
「だけど――
お前も…思っているんだろう?」
「ということは…玲もか」
わざと目的語を抜かしたのは…それでも信じたくない自分が居るから。
どうしようもなく――
不安な心は…玲にも伝染している。
「ああ。僕が感じられる煌の気配は…
制裁者(アリス)のものだ」
やはり――
同じか。
「何…やってんだよ、あいつ!!!
もう少し…もう少しだというのに!!!」
玲は言葉を吐き捨てながら、青い光を…盛大に撒き散らした。
目の前には大量の敵。
桜を1人残し…横須賀に走った俺達は、予想通り…大量の雑魚達に囲まれた。
《妖魔》もなく、強い相手もいない。
ただ時間稼ぎの敵。
だけどそれは…これからの危険性を示していた。
桜を犠牲に最終地点近くまで来て、いつ出てくる?
いつ――緋狭さんは現われる?