シンデレラに玻璃の星冠をⅠ


出来れば相対したくない。

闘いたくない。


どうしても現実を認めたくない俺が駄々をこねる。


それが俺の迷い。


もしものことばかりが頭を過ぎる。


ここまで女々しく情けない奴だったのか。



――芹霞ちゃあああん!!!



こんな時にも思い浮かぶのは芹霞のことばかり。


会えなくなったらとそればかり思い悩む。


だけど――

突破できる可能性を秘めているのもまた事実というのなら。


煌までもが…制裁者(アリス)に下ってしまったというのなら、尚更…俺の取る術は…それしか残されていない。



成功率は…五分五分。



――芹霞ちゃあああん!!!



俺は――


手首の布に唇をあて、



「――玲」


静かに言った。



「緋狭さんが現われ阻まれたら…


俺は決行する」



「え!!?」



「覚悟を決めたんだ」



端麗な顔が歪んだ。




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