シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
闇夜に光る青い色は、まるで僕の力の色にも似ているけれど、ここまで心を凍らせる冷淡な色合いは持ち合わせていない。
非情な青色を身に纏う五皇。
「おおっと、俺はただの審判だからね。手を出さない代わりに…何を訊かれても答えられません。お口はチャック。あはははは~」
本家本元は、やはり何処までも胡散臭い。
周涅より、遙かに胡散臭い。
胡散臭さの次元が違い、関わり合いたくない感がかなり強い。
そう思っているのは、僕だけではないはずだ。
「"エディター"から伝達は受けたよ。おめでとう。ワンワンがんばったようだね」
筒抜けというのが、奇怪に思えた。
そこまで氷皇の力は、凄いのか。
それとも――
全ては想定内の、"必然"だったとでもいうのか。
「ほら、早く行ったら?
もう役者は揃っているんだから。
ほら、久涅ちゃんも…先刻港に着いたし。
アカも――」
その笑いは、何処までも冷ややかなものだった。
聞きたいことは色々ある。
だけど、今は――
「ああ…こんな処でモタモタしてるから来ちゃったじゃないか。
――アカが」