シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
「諦めるなッッッ!!!」
声音にならない声を張り上げて、僕は叫んだ。
僕の力が、まだ効果がある内に。
「火を抜けて――
行くんだ、櫂ッッッ!!!」
一瞬櫂は、苦渋の顔つきをしたが、
「判った。
俺は――最後まで藻掻く!!!!
諦めないッッッ!!!」
くるりと背を向けて。
「玲、桜!!!!
生き残れ。
そうでなければ、何も始まらない!!!」
その叫びは掠れきっていて。
「ああ、当然だろ。
お前が生きて居なければ、全て水の泡。忘れるなッッッ!!!」
例え最終的に、どんな結末を迎えたとしても。
櫂がなければ――
僕達は皆、救われないんだ。
僕は青い力を更に放射する。
電磁波を溜め続けていた僕の月長石が、悲痛な音をたてた気がした。
火と電気。
それは相克の関係にもならない、離れた関係。
ただ純粋に力の強弱を思えば、僕は確実に負けるだろう。
だけど一瞬でいい。
櫂がここから飛び出せる道さえ作れれば。