シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
 
「玲、お前!!?」


その眩しさ故か、それとも魂胆が判った故か。


緋狭さんが…驚いたその一瞬の隙に、僕は青い光を纏った手で緋狭さんの足を掴む。


「な!!?」


高電圧を纏った僕の不意打ちに、緋狭さんの動きが止まる。



「櫂、今のうちだ、走れッッッ!!」


一瞬。


緋狭さんの動きが止まるのは一瞬だと判るから。


櫂は反動をつけて立ち上がり、皇城翠を肩に担いで走った。


港へと。




「させるか!!!!」


緋狭さんの声に呼応するように、金翅鳥(ガルーダ)が甲高い鳴き声を発して、櫂を追う。



僕は――


辺りの…突如起動した"電力"を力の糧にし、櫂を援護する結界を強化しながら…青い光を金翅鳥(ガルーダ)にぶつけた。


同時に…動かない桜の結界を作る。


力を…3種に向かわせるのは初めてで。


多分それは、電力が豊富だから出来る…刹那の技。


時間が経つにつれ、目映い電気は…1つまた1つと消えていくだろう。
僕の力となって。
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