シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
 
「芹霞…」


頬に添えられた手。


火傷しそうな…灼熱の痛みを感じるのはどちらのせい?


「お前と俺は――

永遠なんだろう?」



ああ、また来る。


櫂の…吸い込まれそうな色気。


あたしの全てがもっていかれそうな、壮絶な色気。


早く脈打つ心臓が、口から飛び出そうだ。



「俺だけが――

お前の運命の相手なんだろう?」



押し付けるのではなく、あくまであたしの答えに委ねられた…櫂の疑問系の言葉。


それは何かの"激情"を必死に抑えているが故に、切ない響きをもっていて。



だから一層、あたしは戸惑う。


櫂を拒絶したい自分がいないから。


恋愛感情で結ばれた関係は。


"永遠"の終焉を招く薄っぺらいものだからと、唾棄してきたあたし。


あたしと櫂とは、そんなことにはなりえないと笑い飛ばしてきたあたし。


それなのに今。


以前のように、拒みきれない自分が育っているのは何故?


過去何度も櫂に言ってきた。


"運命"

"永遠"

"櫂が大好き"



頭が――

くらくらする。


櫂の声に、その色に、その熱に。

誘われ、惑わされ、狂わされそうになる。

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