シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
・割当 煌Side
煌Side
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築ウン十年のボロ家に、青いボンドカーが停まっている。
何だか――
借金取りが家に押しかけたような図だ。
隣の噂好きの婆さん、薄く開けたカーテン越しから、あらまあ!と言わんばかりの顔して見てる。
明日にはもう、神崎家のお涙頂戴の…転落物語が始まってるに違いねえ。
桜はまだ姿現さず。
素早さがウリなのに、何とろとろしてんだろう?
芹霞は遠坂と、慌ただしく部屋掃除を始め出した。
遠坂は秋休み中、宮原と何度もウチに泊まりに来ていたから、もう勝手知ったる何とやらで、何に対しても戸惑いがなく、女将に仕える女中頭のようだ。
本当に遠坂という女は、順応性が高い。
「ふふふ~ん♪」
廊下では、芹霞が鼻歌歌いながら、陽気に掃除機をかけている。
そんなに皆が来ると嬉しいのかよ。
いつも俺と2人で悪かったな!!
俺は完全不貞腐れ気味。
年季が入ったダイニングテーブルの椅子に逆方向に座り、背もたれの上で腕組んで、その上に頭を乗せた。
隣り合わせの居間では、櫂の向かい側で、玲が芹霞から借りたノートパソコンの接続を始めている。
「スペックが頼りないけど…まあ僕が組み立てたものだからね。そこいらのものよりは、よっぽど機械としては性能がいい」
玲が言うと、何でも芹霞のことを言ってるような気がしてくる。
"少し馬鹿だけど…まあ僕が育てたようなものだからね。そこいらのものよりは、よっぽど"女"として性能いい"
おい、玲。
"女"の性能って何だよ?
お前何をもって、"イイ"って判断してんだよ。
玲はポケットから取り出したUSBメモリ…だというものを差し込んだ。
「保存してあるプログラム流し込めば、とりあえず今僕がしたいことはできるはずだ。コピー終わるまで、お茶でも入れるね」
まるで自分の家のように、台所を使い始める玲。
何だよ、お前。
その慣れ様は。
此処は俺の家だぞ。
俺と芹霞が8年も同棲してる家なんだぞ!!?
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築ウン十年のボロ家に、青いボンドカーが停まっている。
何だか――
借金取りが家に押しかけたような図だ。
隣の噂好きの婆さん、薄く開けたカーテン越しから、あらまあ!と言わんばかりの顔して見てる。
明日にはもう、神崎家のお涙頂戴の…転落物語が始まってるに違いねえ。
桜はまだ姿現さず。
素早さがウリなのに、何とろとろしてんだろう?
芹霞は遠坂と、慌ただしく部屋掃除を始め出した。
遠坂は秋休み中、宮原と何度もウチに泊まりに来ていたから、もう勝手知ったる何とやらで、何に対しても戸惑いがなく、女将に仕える女中頭のようだ。
本当に遠坂という女は、順応性が高い。
「ふふふ~ん♪」
廊下では、芹霞が鼻歌歌いながら、陽気に掃除機をかけている。
そんなに皆が来ると嬉しいのかよ。
いつも俺と2人で悪かったな!!
俺は完全不貞腐れ気味。
年季が入ったダイニングテーブルの椅子に逆方向に座り、背もたれの上で腕組んで、その上に頭を乗せた。
隣り合わせの居間では、櫂の向かい側で、玲が芹霞から借りたノートパソコンの接続を始めている。
「スペックが頼りないけど…まあ僕が組み立てたものだからね。そこいらのものよりは、よっぽど機械としては性能がいい」
玲が言うと、何でも芹霞のことを言ってるような気がしてくる。
"少し馬鹿だけど…まあ僕が育てたようなものだからね。そこいらのものよりは、よっぽど"女"として性能いい"
おい、玲。
"女"の性能って何だよ?
お前何をもって、"イイ"って判断してんだよ。
玲はポケットから取り出したUSBメモリ…だというものを差し込んだ。
「保存してあるプログラム流し込めば、とりあえず今僕がしたいことはできるはずだ。コピー終わるまで、お茶でも入れるね」
まるで自分の家のように、台所を使い始める玲。
何だよ、お前。
その慣れ様は。
此処は俺の家だぞ。
俺と芹霞が8年も同棲してる家なんだぞ!!?