シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
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「あれ…お茶葉が切れてる。買い置き…何処にあるのかな?」
扉をぱたぱた開けて探し始める玲に、俺はにやりと笑った。
「俺、知ってるぞ?」
買い物に行かされてばかりの俺は、定位置に仕舞う処までしねえと芹霞にド突かれるんだ。
――最後までちゃんとやる!!!
ふっふっふ。
俺だけが知っているんだ。
俺だけが、芹霞との秘密を――
「玲、上の棚の…右から三番目に入っている」
「何で櫂が知ってるんだよ!!!」
思い返しても、過去、櫂の前で茶葉を切らしたことはないはずだ。
俺の記憶の中で、櫂は居間でのんびりとくつろいでいたことはねえ。
いつも芹霞の部屋で、俺とくっちゃべっていた。
「ああ、昔からあいつ、あそこに入れるんだ。母親に習ってな」
母親。
どくん。
8年前、死んだ芹霞の母親。
俺が見たことがねえ、芹霞の…。
――お母さあああん!!
何で――
――きゃあああああ!!
見たこともないのに、顔が判るのか。
何で芹霞の悲鳴が聞こえてくるのか。
「あれ…お茶葉が切れてる。買い置き…何処にあるのかな?」
扉をぱたぱた開けて探し始める玲に、俺はにやりと笑った。
「俺、知ってるぞ?」
買い物に行かされてばかりの俺は、定位置に仕舞う処までしねえと芹霞にド突かれるんだ。
――最後までちゃんとやる!!!
ふっふっふ。
俺だけが知っているんだ。
俺だけが、芹霞との秘密を――
「玲、上の棚の…右から三番目に入っている」
「何で櫂が知ってるんだよ!!!」
思い返しても、過去、櫂の前で茶葉を切らしたことはないはずだ。
俺の記憶の中で、櫂は居間でのんびりとくつろいでいたことはねえ。
いつも芹霞の部屋で、俺とくっちゃべっていた。
「ああ、昔からあいつ、あそこに入れるんだ。母親に習ってな」
母親。
どくん。
8年前、死んだ芹霞の母親。
俺が見たことがねえ、芹霞の…。
――お母さあああん!!
何で――
――きゃあああああ!!
見たこともないのに、顔が判るのか。
何で芹霞の悲鳴が聞こえてくるのか。