シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
「そうそう、新東京七不思議の1つじゃない。黒髪お下げの黒縁眼鏡の女の子は、イチル様の呪いを受けて、彼女と同じように首絞められて頭かち割られて、脳をそのまま奪い取られるって奴」
"新東京七不思議"
――"サンドリオン"は、新東京七不思議の1つとされてるんだ。君達は知らないかい? 東京で起きている7つの怪現象のこと。
「なんでそんなに笑っていえるの? 皆被害者は桜華生なんだよ? 明日は我が身かもしれないじゃない!!!」
「大丈夫大丈夫。イチル様を信仰して、『黄幡会』の黄色いお守り持って、神社巡りすれば殺されないっていうじゃん。何なら巡ってみる?」
「行く行く行く~」
「ええと…新宿が近いかな。歌舞伎町、筑土八幡町、西早稲田、北新宿があるね、何処から行く?」
「ねえ、どうしてそんなの暗記してるの?」
「ええ? それらの神主や巫女さんが野犬に虐殺されたっていう新東京七不思議の1つだし」
「そんなとこ巡ったって、効果ないじゃん!!!」
「それがさ!! イチル様、犬嫌いだったらしいから、犬に因縁或るものを纏えば力になるっていうジンクスで」
「怪しい!!! やだ~!!!」
その時、私の携帯電話が鳴ると同時に、バス停に都バスが停まる。
『もしもし、桜? 今どこにいる?』
彼女達は私の目の前で、停まったばかりのバスに乗り込んだ。
「あ、玲様。今は…乃木坂あたりです。これから豊洲に向かおうと…」
『一度戻ってこれるかな。家がさ…マンションが、大火事で』
「ええ!? 皆様お怪我はなさってませんか!!?」
皆に大事はないらしい。
そしてその火事は不審火…更には、紫堂のような力によるものだと、玲様は告げた。
詳しいことは後で直接聞くことして、とりあえず芹霞さんの家にて待ち合わせということで、私は中野方面に舞い戻る。