シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
――どんな玲くんでも受け止めるから。
僕は芹霞を信じる。
それでも、不安は消えないけれど。
今の関係を進展させる為には、1歩を踏み出す勇気が必要だから。
早く踏み出さないと…芹霞が奪われる。
そんな強迫観念が消えないんだ。
気ばかり急いて仕方がない。
気狂いの血が、何かに共鳴したかのように、さわさわと騒いでいるのが判るんだ。
そんな"自分"を抑える今の自分に、どこまでの抑制力があるのか、自分でも判らない。
時間が経つにつれ、
芹霞が僕の告白を冗談にしていくにつれ、
不思議な程…"僕"が止められなくなっていて。
多分、櫂も煌も奇妙に思っているだろう。
ああ――
もし気狂う兆候であるならば。
せめて。
君を腕に抱いて狂いたい。
触れられずに気狂うのはたまらない。
そう…思った。