シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
或る心象風景3.
白い煙がゆらゆらと揺れている。
此の臭い――
嗚呼、此れは線香だ。
黄と白の色花が一面に拡がっている。
此の花は――
嗚呼、此れは菊の花だ。
誰かが泣いている。
幾つもの嗚咽。
号泣が重なり混じり合う。
誰もが暑苦しい黒服を着て、
涙で潤んだ目線を一点に向けている。
そこには――。
何故――
私の写真なのか。
何故――
黒枠で飾られているのか。
何故――
誰も私を見ようとはしないのか。
ふと――
女が私を見て、動きを止めた。
恐怖に青ざめた顔。
そして、震える指先を私に向け、掠れた声で叫んだ。
―――幽霊、と。