シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
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「あたしも、櫂がだあいすき」
思い切りぎゅうをした。
だけどなんだろう、何か違和感。
あの柔らかさがない。
すべすべはしてるけど、ごつごつして何か固い。
あたしの腕にすっぽり嵌る、あの華奢な小ささがない。
大き過ぎて、あたしの手が回しにくい。
だけど温かみはそのままで。
そのままというより、何だか段々熱くなっているような?
やっぱり何だかおかしい。
ぺたぺた触ってみても、やはり違和感は消えなくて。
そもそも。
いつもの櫂なら、
――僕の方が、大大だあいすき!!
倍以上に、返るものがあるはずなのに。
静か過ぎる。
物足りない。
おかしすぎる。
本当にこれは櫂か?
天使の櫂なのか?
「んんん?」
よく目を凝らそうと、目を開けば――
飛び込んできたのは漆黒の瞳。
やっぱり櫂じゃん。