シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
 

「今…気分がいいから、意識改革は次回にしてあげる。ああ、やっぱり外で喋ってると寒くなるね」


にっこりまた微笑まれたけれど、今…さらりとさり気なく…何か変なことを言われたような?


"意識改革"


って、何だ?


聞き返そうとした時、ぶるりと寒気がして、派手なくしゃみをしてしまった。


「やっぱ、今日は寒いね」


そう言うと、玲くんはご機嫌顔で腕組みを解いて、今度はあたしの手を直接握ってきた。

手の平からひんやりとした玲くんの温度が伝わってくる。


「うーん、僕の手も冷たいからね。温かくするには…」


そしてそのまま、あたしの手ごと…上着のポケットに入れた。


「うん、こっちの方が温かい」


これもまた、ベタ過ぎるベタベタカップルでよく見るもので。


「玲くん…凄く恥ずかしいんだけど?」


真っ赤な顔を自覚しながら、少しだけ睨んだ。


「最初だけだよ。イロイロ慣れさせて上げるから、大丈夫だよ?」


にっこり。


"イロイロ"って何だ?

何が"大丈夫"なんだ?


「さあ、行こうか」


ねえ玲くん。


ポケットの中の手…。


形が変わってきてますが。


玲くんの指が…、ゆっくり…なんかイヤらしく動いているのが判るんですが。

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