シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
目の前には――
居間の窓があった・・・壁の殆(ほとん)どが消失していて。
つまり外界を遮るものが何1つない状態で。
ぱらぱらと…細かい何かが天井から降っている。
やっべえ…。
"吸収"の歪(ひず)みかよ。
俺が"弾いて"いたら、この家…もう1面、無くなっていただろう。
俺の頭に浮かぶは、怒り狂う芹霞の姿。
今考えるべきは怒りの鎮め方じゃねえと、ぷるぷる頭を横に振って、敵の姿を見据える。
「な!!!?」
そこから見えるのは、小猿。
確かにあの小猿…なんだけれど。
「「「………」」」
「おい、どうして行かないんだよ、終わってないんだよ!!!
あっちだ、あっち!!! サボるなよッ!!?」
確かに――
「「「………」」」
小猿はいるんだけれど。
「……櫂様、如何しましょう?」
何だあれ。
「おい、寝るな!!! ああ、馬鹿、車で遊ぶな…引っかくな!!!」
本当に20cmにも満たない…現実の小猿サイズの小々猿が、あいつを除いて7人。
…いや、7匹?
何処からどう見ても、あの小猿としか思えねえ程そっくりなミニチュアがいた。