シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
 

「僕ね…気をつけて運転していたんだよ? 何かあったら、全て賠償しろと言われている、僕より怖い怖~いお兄さんに釘刺されていてね?」


そして――。



「尻向けろ、猿」



口調を変えた玲。




やばい。


拷問モードだ。



俺らの制止する時間なく、子猿から乱暴に俵担ぎにした玲は、


「うっぎゃああああああ!! 

痛え、痛えッッ!!! 

俺が悪かった、やめろ~!!!」



片っ端から、容赦なく猿達の尻を叩き出した。


小々猿は喋れねえらしく、静かだったけれど、表情を見ればどんな心情なのかはありありと想像できる。



それでも玲は手加減しているんだ。



完全本気なら、きっと尻なんかなくなっているだろう。



だけどあの程度でも…叩かれた尻はきっと赤く腫れ上がり、動かすと辛いに違いない。


後遺症がこれまた辛いこと、俺はよく知っている。




――この悪ガキ共がッッ!!


――緋狭姉、ごめんなさいっ!!!


――もうやらねえからッッ!!!



ああ――


俺の尻まで疼きだす。



ちらりと見る芹霞も顔を強張らせていて。



そして目が合うと、芹霞はふいと顔をそむけてしまった。



ああ、そうだ。


俺――…。
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