シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
・奇襲2
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「答える義務はありませんよ、翠くん」
突如割り込んできた男の声。
廊下へと続く、居間の入り口から現れたのは、濃灰(ダークグレイ)に光沢を放つロングコートを着た長身の男。
ゆるやかなウェーブかかった煉瓦色の髪。
コートと同色の瞳。
まるでモデルのような、華やかさ。
玲くんのような中性的な顔立ちだけれど、玲くんのような瑞々しさはない分、そしてその秀麗な顔に覆われている翳りが、アダルトな…大人の男の色気を醸し出している。
奇しくも、あたしの周りの男達は、尋常を超えた美形揃い。
別に今更、新たな美形が1人現れた処で、興奮してキャーキャー騒ぐことはないけれど、それでも…美形慣れしているからこそ感じる彼の"違和感"。
美形には間違いない。
だけど。
どことなく歪で、不自然さを感じた。
一体何だというのだろう?
あたしは、まじまじと彼を見つめた。
そんなあたしを忌々しげに見つめる、3組の眼差しがあることに気付かずに。
――ん?
この人の顔何処かで…。
「たたたタマタマ…」
突然紫茉ちゃんが、飛び上がって震えだして。
まるで螺子(ねじ)が切れたゼンマイ人形のよう。
「紫茉…。
僕は――…
猫じゃないと…何度言わせるんですか!!!」
紫茉ちゃんの頭に、大きい拳骨を見舞った相手。
女の子に容赦ない攻撃に、あたしの記憶は刺激され…
「ああ!!!
109で会った、白衣の保健医!!!」
あたしは柏をぽんと1つ打った。
「答える義務はありませんよ、翠くん」
突如割り込んできた男の声。
廊下へと続く、居間の入り口から現れたのは、濃灰(ダークグレイ)に光沢を放つロングコートを着た長身の男。
ゆるやかなウェーブかかった煉瓦色の髪。
コートと同色の瞳。
まるでモデルのような、華やかさ。
玲くんのような中性的な顔立ちだけれど、玲くんのような瑞々しさはない分、そしてその秀麗な顔に覆われている翳りが、アダルトな…大人の男の色気を醸し出している。
奇しくも、あたしの周りの男達は、尋常を超えた美形揃い。
別に今更、新たな美形が1人現れた処で、興奮してキャーキャー騒ぐことはないけれど、それでも…美形慣れしているからこそ感じる彼の"違和感"。
美形には間違いない。
だけど。
どことなく歪で、不自然さを感じた。
一体何だというのだろう?
あたしは、まじまじと彼を見つめた。
そんなあたしを忌々しげに見つめる、3組の眼差しがあることに気付かずに。
――ん?
この人の顔何処かで…。
「たたたタマタマ…」
突然紫茉ちゃんが、飛び上がって震えだして。
まるで螺子(ねじ)が切れたゼンマイ人形のよう。
「紫茉…。
僕は――…
猫じゃないと…何度言わせるんですか!!!」
紫茉ちゃんの頭に、大きい拳骨を見舞った相手。
女の子に容赦ない攻撃に、あたしの記憶は刺激され…
「ああ!!!
109で会った、白衣の保健医!!!」
あたしは柏をぽんと1つ打った。