シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
「玲、芹霞から連絡は来ないのか?」
「うん…メールしてるんだけれど…」
確かに画面には、玲からのメールの発信画面が表示されている。
まあ…実際は絵文字・顔文字を使っているのだろうが、とりあえずは状況報告を促しているみたいだ。
「友達が突然帰ったから、榊さんとティアラ姫を買って帰る…までは連絡来てるんだけれど」
「……うわ。またあの不細工ワンコ買うつもりかよ」
煌が、顔を嫌悪に歪ませた。
「お似合い…」
「うるせえんだよ、桜!!!」
桜は…緋狭さんに師事してから、すぐにキレなくなった。
少しは精神面で成長しているのだろうか。
時計を見れば、9時になる。
新たな友とはしゃぎすぎて、玲に連絡が出来なかったとしても…もう家に帰っててもいい時間だ。
「榊も…戻ってこないな…」
そう呟いたのは、僅かに目を細めた氷皇で。
多分――
俺達は皆、何かしら予感はしていたのだろう。
そのタイミングで――俺の携帯が鳴った。