シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
・揺れ 桜Side
桜Side
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私は今まで、学校というものに行ったことはない。
どうして、理由もないのに数多の人間と関わらねばならぬのか、その意味合いと必要性がよく判らない。
私的な交流など、私が許容できる限られた人間だけでいい。
何の為に見知らぬ人間と顔を突き合わせ、無駄話をしないといけないのか。
だから本当は、自己開示のような紹介などしたくはなかった。
「神崎芹霞です」
思っていた以上に、芹霞さんは男性陣に注目された。
遠坂由香は愛嬌はあるが、芹霞さんと系統が違うから。
教室は奇妙な静寂さを保ったまま、舐めるような…好奇な目線が芹霞さんに向けられている。
此の場に…芹霞さんの願い通り玲様がいらしたら、その目線は分散されたのだろうけれど、今、男子生徒の興味は芹霞さんだけに注がれて、芹霞さんの全てを…視姦しているような汚らわしさを感じて、私は思わず芹霞さんの手を引いて私の後ろに立たせた。
芹霞さんを無性に隠したかった。
「桜ちゃ…桜くん?」
しまった。
何を私は強引に。
「…葉山です。よろしく」
動揺を隠すように、短い挨拶をして…そして男達を睨みつけた。
男達はびくんと怯んだ反応を示したから、視線で押さえつけながら後方に退いた。
そして…目だけを動かす。
また――
視線を感じる。
生徒達の好奇なる視線ではなく、明らかに別物だ。
櫂様方と廊下を歩いていた時から、こちらの動向を見張るような…執拗な視線を感じていた。
それに私が気付いた時にはもう、玲様は目を光らせて櫂様の隣についていた。
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私は今まで、学校というものに行ったことはない。
どうして、理由もないのに数多の人間と関わらねばならぬのか、その意味合いと必要性がよく判らない。
私的な交流など、私が許容できる限られた人間だけでいい。
何の為に見知らぬ人間と顔を突き合わせ、無駄話をしないといけないのか。
だから本当は、自己開示のような紹介などしたくはなかった。
「神崎芹霞です」
思っていた以上に、芹霞さんは男性陣に注目された。
遠坂由香は愛嬌はあるが、芹霞さんと系統が違うから。
教室は奇妙な静寂さを保ったまま、舐めるような…好奇な目線が芹霞さんに向けられている。
此の場に…芹霞さんの願い通り玲様がいらしたら、その目線は分散されたのだろうけれど、今、男子生徒の興味は芹霞さんだけに注がれて、芹霞さんの全てを…視姦しているような汚らわしさを感じて、私は思わず芹霞さんの手を引いて私の後ろに立たせた。
芹霞さんを無性に隠したかった。
「桜ちゃ…桜くん?」
しまった。
何を私は強引に。
「…葉山です。よろしく」
動揺を隠すように、短い挨拶をして…そして男達を睨みつけた。
男達はびくんと怯んだ反応を示したから、視線で押さえつけながら後方に退いた。
そして…目だけを動かす。
また――
視線を感じる。
生徒達の好奇なる視線ではなく、明らかに別物だ。
櫂様方と廊下を歩いていた時から、こちらの動向を見張るような…執拗な視線を感じていた。
それに私が気付いた時にはもう、玲様は目を光らせて櫂様の隣についていた。