シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
私には蝶など見えなくて。
不可視な敵に、攻撃が出来なくて。
玲様。
どうか!!!
私は――玲様に祈った。
「芹霞!!!」
ガラリとドアが開いて、飛び込んできたのは櫂様で。
「櫂様、蝶が!!! 来ないで下さい!!! 玲様は、玲様は!!?」
私の叫び声に呼応するように、廊下に面する窓ガラスが砕け散る。
外から飛び込んでくるのは、青い光。
四方八方に飛び散って。
焦げ付いたように、何かが黒くなって落下した。
視線!!?
何処からだ!!?
「桜!!!」
煌が叫んで指差すのと同時に、私の視線は外に向いていて。
向かい側の校舎。
ああ…その屋上で。
こちらを見ているのは…
「黄色の外套男!!?」