シンデレラに玻璃の星冠をⅠ

今度こそ逃すものか!!!


窓に手をかけ、そちらに飛び移ろうとした時、


「!!!」


窓硝子が割れ、何かが飛んできて。



私が裂岩糸で弾くのと、櫂様が芹霞さんを引き寄せるのが同時で。



「…これは…制裁者(アリス)の!!?」


メスのような長い刃物。

柄には薔薇の刻印。


黄色の外套男と制裁者(アリス)は関係があるのか!!?



続けて放たれる無数の刃物。


煌が飛び込んできて、偃月刀を旋回させて弾いた。


「なあ…桜。これ…櫂に向かっているよな」


背中合わせになりながら、尋ねてきた煌に私は頷いた。



間違いない。


刃物は櫂様に向かっている。



「ひいいいい!!?」


その声は、教室に居るの誰かの悲鳴。


思わず見渡した私の目に映ったのは、5.6人の男子生徒が懐から…制裁者(アリス)の刃物を手にしていて。



刺客が…生徒に混ざっていたのか。



「ひいいいい!!?」



再び聞こえた誰かの声を合図にして、一斉に櫂様目掛けて突進してきた。



そこに――


玲様が廊下から飛び込んできた。



長い黒髪を靡かせて、高く飛び跳ねた宙で身を捩り、両足でスカートを挟み込みながら着地すると、即座に両手で2人の生徒の喉下を掴み、そのまま床に押さえつけ、頭同士をぶつけ合わせて意識を奪った。



次いでそのまま片手で跳ね上がると、倒立の状態で…やはりスカートを足で挟み込み、頭上から手刀で、男子生徒の延髄を叩きつけた。


優雅で舞うようなその動きに、私と煌は思わず見惚れてしまったけれど、すぐに敵の一掃に努めた。


そして最後の1人を、煌が蹴り飛ばした時。


室内に静寂さは戻った。

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