シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
そして櫂に向かわれた攻撃。
玲くんは迷い無く飛び込んできた。
やっぱり玲くんは、綺麗で優雅に…舞うように戦う。
――…櫂の為になら。
やっぱり玲くんはあたしを見てくれなかった。
気のせいじゃない。
線を引かれている。
向けてくるのは、偽りの微笑だけ。
本当の玲くんが、そこにはいない。
あたしは…そう、昨日会った…上岐妙と同じ扱いだった。
それが凄くショックで、遣り切れない。
何処かで自惚れ、優越感に浸っていたんだろう。
それを思って、更に心が沈んだ。
あたし…このまま玲くんと居ていいのかな。
あたし…これからどうしよう。
思い出すのは"約束の地(カナン)"のことばかり。
あの時の方が、距離が近かった。
今は…いつも以上に玲くんは遠すぎて。
寂しかった。