シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
あたしは確かに女だけれど、
「玲くんはッッ!!!
れっきとした男でッッ!!!
白い王子様なのッッ!!!
何処が女なのよッッ!!?」
あたしは怒鳴りながら立ち上がり、よく見ろと言わんばかりに…びしっと玲くんを指差した。
途端。
場は静まり返り。
というか、皆様固まっておられまして。
ざわざわ、ざわざわ…。
やばい。
…と思いました。
玲くんは女装していて。
わざと女のフリをしていたのに。
別に趣味趣向ではなく、至ってノーマルなのに。
意図的な女装を、あたしがばらしてどうする!?
玲くん…変態扱い!!?
更にあたしまた、嫌われる?
自分の失言に血の気が失せた時、
驚愕の視線を一身に浴びた玲くんは――
「ふふふ。私が…男に見えます?」
にっこり。
あたしに向けてくれなくなった、お色気満載の微笑みを…周囲に見せつけて。
絶対男じゃないだろっていうくらいの、攻撃的な色気に…誰もがあたしが冗談を言ったのだと笑いだした。