シンデレラに玻璃の星冠をⅠ

そんな時、煌が憮然とした表情でこちらに入ってきた。


「俺よ、芹霞が行きそうな処考えていたんだけれど、宮原の処じゃないかって思うんだ。…ん? あ、皆何やってんだ? …ああ!!? 芹霞!!?」


覗き込んできた煌が、思わずその携帯に触れそうになった途端、遠坂は慌てて取り上げた。


「爆発ワンコに壊されたくないね」


そう。


何処をどう見ても…芹霞だった。

しかもなんで化粧? 何でお洒落してる?


思わず魅入ってしまったことは口には出さないけれど。


「あ、また宮原からメール。

――……。……」


遠坂は何も言わずに、携帯を閉じてポケットに入れようとした。


「おい、遠坂、何なんだよ、宮原何だって!!?」


しかし彼女はそっぽを向いて、口笛を吹いて。


このコメカミから汗が一筋…。


すると玲がその携帯を取り上げて。


「し、師匠、返せ、ボクの携帯返せ!!!」


遠坂の身長では飛び跳ねても届かない高い位置で、玲は携帯を操作した。



「……」


突如その顔が…険しくなって。


「どうしたんだ?」


固まる玲から、今度は高い位置で俺がその携帯を取り上げた。


その間も遠坂は、ぴょんぴょん飛び跳ねていて。


煌も一緒に画面を覗き込む。



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Title:写真どう?
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これから、芹霞とK大生との
合コン行ってきます!!

芹霞が"優しさ"と"微笑み"に
飢えてるらしいから、2人で
大人の男性を満喫してきます。

いい男GET!!!

目指せ、玉の輿!!

祈ってて(*^∇^*)

電源きるから音信不通。

心配しないでねん!!

     -END-
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