シンデレラに玻璃の星冠をⅠ


「やめろ、僕は…僕は――ッッ!!!」



そして、玲は突然心臓の位置に手を当て、くの字型に身体を折り始めた。


「うぐっ!!! …は、はぁ、はっ……」


苦しげな呼吸。


発作か!!?


玲の目尻から、涙が零れ落ちた。


「煌、てめえ…1人で南千住に行け!!」


桜が叫んだ。



「だ、だけど…」


「行けッッ!!!」



煌は俺を見て…俺は頷いた。



「俺は玲を放っておけない。芹霞を頼む、煌」



玲は…俺の腕を痛いくらいに掴んで離さなかった。


「行かないで…僕から…


離れないで…」


うわ言の様に、苦しげな息から漏れる声。


「うああああああ!!!」


そして絶叫。



「煌、芹霞を連れ戻して来いッッ!!!」


「……了解」


煌は走り去る。
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