シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
「あ、ああ…ああああ」
びくんびくんと波打つ玲の身体。
痙攣だろうか。
一体、玲の身体の中で、何が起こっているのだろうか。
何が玲を蝕んでいるのだろうか。
こうして玲の傍についていてやることしか出来ない、そんな自分の無力さが呪わしくて。
せめてもと回復結界を張ってはいるけれど、玲のこの様子では…あまり効果がないのかもしれない。
俺は縋りついてくる玲を抱き締めてやる。
「あ、あああああ…」
止めどなく流れる玲の涙は、
何に対してのもの?
「ああ…ああああ…」
痛ましい玲を、見ていられず…思わず俺は顔を背ける。
だから俺は――
気づかなかったんだ。
桜が、酷く思いつめた顔をして、
自らのポケットから取り出した小瓶を見つめていたことに。