シンデレラに玻璃の星冠をⅠ


「芹霞、落ち着いて!!! ゆっくり深呼吸しよう? はい、大きく息を吸って…はい、吐いて…そう。もう1回」


玲が芹霞の背を摩りながら、ゆっくりと言った。


乱れた息ながら、芹霞の深呼吸の音が闇空に響いて。


そして芹霞は言った。



「……蝶々が…

黄色い外套を纏った奴になって…


笑いながら――


"通行料"を貰うって…


"心"を頂くって…」



そして一度唇を噛みしめて。



「榊さんの眼球を…


――食べちゃった!!!」




そして――



「13日の間までに…


あたしを迎えに来るって…。


蝶々になって…消えたの!!!」



そう――

芹霞は震え上がりながら、叫んだ。


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