シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
かつての俺の言葉と矛盾しているけれど、きっと櫂なら判ってくれるはず。
何が本心か、櫂ならきっと判ってくれる。
桜から急かされたからではなく、これは自発的なものなんだって判ってくれる。
俺達、幼馴染なんだから。
『ありがとうな、煌』
櫂の声と同時に、
「煌!!!」
芹霞が横から俺に抱きついてきて。
「な、ななな!?」
「やっぱり煌だ!!!
煌、大好き!!!」
突然のことで狼狽した俺は、それでも芹霞を抱き締めて。
"大好き"
それはきっと、俺が心底欲しい言葉の意味じゃねえ。
それは判った。
だけど。
――暫く、口利かないからッッ!!!
何だか初めてこれで……
本当に芹霞と仲直りできたような気がした。
櫂の言葉じゃなく、俺の言葉で。
本当に俺は、櫂を、玲を…皆を大切に思っているんだっていうことが伝わったんだと思う。