シンデレラに玻璃の星冠をⅠ


心が繋がるって、本当気持ちいいよな。


幸せな気分になる。


何でも出来る気がしてくる。


だから尚更強く思うんだ。


一方通行の心が、いかに辛くて苦しいものなのかを。


正直な心。


それを素直に伝えれば、相手と心が繋がるというのなら。


俺は――

何度もお前に、想いを伝えたいと思うよ。


繋がるまで、何度も何度も…。


見栄も体裁も矜持も。


全て捨てても、素直になりたいと思う。


俺を映す、黒い瞳。


ゆらゆらと揺れるその意味が、俺を見定められない"惑い"なのだとしたら。


確りとした"心"を見せたいと思う。


だから、誰にも揺らがないで欲しいよ。




『……煌』



その時、櫂の声が聞こえた。



『"それ"と"これ"とは、また別の話だ』


笑っているのか、怒っているのか判別つかねえ櫂の声。


絶対櫂は判ってる。


"それ"と"これ"。


愛情と友情の伝え方。



「お、おま!!! エスパーか!!?」



すると芹霞が顔を上げて、怪訝な顔を向けた。



「…今更?」


何にも判っていない芹霞にそう言われたら、カチンとくる。


少しは察しろって言うんだ。

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