シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
 
誰だ?


この…氷皇と酷似している、

銀色に覆われた…この男は一体誰だ!!?



そして――


「ちょっと待てよ、何で…あ――…」


崩れ落ちた遠坂由香の背後にいたのは…玲様が助けた…女。


何故、此処に!!?


その時。


銀色の男が取り出した万年筆。


かつて桜華で、自警団に逆らった芹霞さんに向けられたおかしなもの。


どうして、自警団が持っていたものをこの男が!!?


あの時、嫌な予感がした私は、やはりこの時も同様な予感がして。


裂岩糸で、不本意ながらも防御態勢をとったが――


「な!!!」


突如向けられた青光が、

裂岩糸の壁をみるみる間に溶かしていく。



しかも何だ…?


糸が、青く染まったその一瞬。


まるで電子の基盤のような模様が見えたのは。


それに私は――

気を取られすぎていた。



だからそれは突然のことで。



「弱っちいね、『漆黒の鬼雷』…」



灼熱の痛みが、全身に走った。



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