シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
しかし、皇城の御曹司が紫堂の御曹司に何用だろう。
元々、小猿くんは櫂に良い印象持っていなかったし。
少し……警戒した。
「櫂は不在。何?」
『なあ…妙なこと聞いたんだよ。
紫堂の次期当主…
紫堂櫂じゃなくなったって本当か?』
「は?」
何それ、何それ?
「櫂は次期当主よ、未来永劫!!!」
『そうだよな、あのふてぶてしい男が昨日今日でそう簡単に、失脚なんかしないよなあ。じゃあ噂だけか。
それが関係あるかは判らないけど――…
紫堂櫂の締め出しが図られているぞ、東京で。
迂闊に手を差し伸べたら、そいつら取り潰すくらいの御触れが出てる。
…これも朱貴から聞いた情報だけれどさ』
「締め出し!!?」
だから。
だから玲くんが受け入れ拒否されたの?
「誰よ、誰よそんなことやってるのは!!! おかげで大変な目にあってるんだから!!! 皆酷い目に遭ってるんだから!!!
誰、何処のどいつ!!? そんなことやってるのは!!!」
『…黄幡会』
猿くんはそう言った。
『黄幡会っていう宗教集団なんだけどよ。
そいつらが動いている。
紫堂櫂潰しに』