シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
 

――あたし達は、運命なんだよ?


――あたし達は、永遠なの。


俺だって、男だ。


どんな姿で泣き喚こうとも、芹霞を求める心は…いつだって男だ。


昔も今も――。


男だって夢を見る。


俺がお姫様の"永遠"の"運命"の相手なら、最高の環境で、お姫様を迎え入れたい。


お姫様が迷わず飛び込んできてくれるように。


お姫様が誰より幸せになるように。


俺と出会えて良かったと、俺が相手で本当に良かったと、心から思えるように。


あらゆる"幸せ"を与えられる、最高の王子様になりたくて。


俺以外には考えられない程、完璧な"王子様"になりたくて。



その為の紫堂。


芹霞の為の紫堂。



俺は、芹霞の為に自分を変えたんだ。



芹霞に相応しい自分になるように。


芹霞を守れる自分になるように。



――助けてえええ!!!



8年前の絶望を、もう二度と感じたくは無かったから。



その為の辛さなんて、幾らでも我慢できた。



こんなザマで、守るも何もあったもんじゃないけれど…


今だけは。


お前が俺から離れていてくれて、良かったと思う。


お前が捕まっていたらと思うと、気が狂ってしまうから。


合コンなんて許せないけれど、そのおかげでお前の危機が去ったというのなら、お前を強く詰ることは出来やしない。


煌、しっかりと芹霞を守れよ。


お前が、芹霞の傍についていてくれて、よかった・・・。
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