シンデレラに玻璃の星冠をⅠ


俺は誰に襲われた?



何より。


何故こんな事態に陥っている?



紫堂の敵か?


俺個人の敵なのか?



少し前、玲が俺に警鐘を鳴らしたばかりだったのに。



紫堂潰しの動きがあると――。



敵の力を見誤っていたのか、侮りすぎていたのか。


俺なら、何とか出来ると。


俺達なら、切り抜けられると。



「――くそっ!!!」



玲に手当てをさせることができなかった。


あんなに苦しむ玲を、助けられなかった。



何より、それが一番悔しくて。



玲の異常を感じていて、策を講じられなかった俺。


紫堂の権力すら使うことすら出来ずに、

泣き叫ぶ玲を連れ回すことしか出来なかった俺。



持ち札が無効化され、ただ流離うだけの…俺。



玲、玲――。


お前…今、大丈夫か?


壊れていないか?



許さない。


玲を…俺達をこんな目に合せた奴を。



俺を見くびるな。


紫堂の次期当主たる肩書きを、伊達に背負っていないこと…判らせてやる。


倍以上にして、返してやる。


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