シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
波打つように、乱れて拡がる青い光。
立て続けに放たれる力は、漆黒色の壁に吸い込まれていくばかりで。
玲の、今の体力と精神力を思えば、こんなに闇雲に力を放出し続ければ…確実に命に関わる。
心臓に負担がかかりすぎる。
俺は…それに恐懼して。
「!!!」
そして――。
最悪の事態は訪れた。
玲の力の色が、電気の青から…白へと、生命を削り取る色へと色相を変え――
玲は――…
「――あ、あぐっ!!!」
胸を掻き毟るような動きを見せ、宙に手を伸ばした。
まるで助けを求めているかのように。
発作だ。
しかもかなり大きい。
「玲ッッッ!!!」
ありったけの俺の声は、玲には届かない。
助けてやると、俺を信じろと。
常に言い続けて来た俺の言葉は、虚しく空回るだけで。
「玲、玲ーーーッッ!!!」
鎖が!!!
ああこの忌まわしい鎖が外れないッ!!!
「俺を行かせろッッ!!
玲の元に行かせてくれッッ!!」
玲が…このままだと玲がッッ!!
――そして。
玲の顔が――
この上ない苦痛に歪められ、
鳶色の瞳の…瞳孔が大きく開いた
……気がした。