シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
だけど、僕個人としては…もう全てを曝け出してもいいと思う。
隠し通すことで、こんなにも芹霞が距離を感じているのなら、僕は隠さず距離を詰めたい。
それは僕の…"僕"に関するものと同じこと。
汚い"僕"を含めて、丸ごと受け入れて欲しい。
――どんな"玲くん"でも受け止めるから。
そう言ってくれた君だから。
だから僕は――
「氷皇に、櫂を監視されている。
櫂だけじゃない、僕達全員――
元老院に対する…謀反の疑いがかけられているんだ」
紫堂の内情については、今までは隠そうとしていた僕。
それは僕の想いの…防波堤でもあったから。
これ以上…必要以上近くに踏み込ませてはいけないと、そう思っていたから。
自らの口から告げたのは、初めてだったかもしれない。
2ヶ月前までは、櫂の判断を伺っていたから。
芹霞を危険に巻き込むのなら、僕が守ればいい。
他人の手ではなく、僕の手で。
櫂だけに委ねていたあの時とは、僕は違うんだ。
「へえ…レイクンなら、笑って誤魔化すと思っていたのに。意外」
氷皇は愉快そうに…にやにや笑っている。
「随分と…入れ込んじゃったねえ。どうしようね、カイクン?」
櫂の視線を感じる。
煌の視線も感じる。
だけど――
僕はもう、引けない。
僕だって…芹霞が欲しいんだ。
主張くらいしたって…いいだろう?