シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
「桜ーーッッッ!!!」
――櫂様、桜は…
切れない鎖。
届かない力。
――生涯、櫂様にお仕え致します。
「目を開けろ、
桜ーーーーッッ!!!」
ああ、桜の下。
桜の血を受けた…あれは何だ?
「遠坂?」
遠坂が仰向けに倒れていた。
その両目には――眼球がなかった。
――なあ、紫堂。
「やめろやめろやめろッッッ!!!」
――むふふふふふ。
俺の声は届かない。
どんなことをしても鎖が切れない!!!
「返事をしろ、桜!!! 遠坂!!!」
どうして俺だけ生きている。
どうして俺だけ無事だ!!?