シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
「芹霞、おい芹霞!!!?」
それはあまりに一瞬のこと過ぎて。
俺は――
芹霞が忽然と消えた壁を手で殴った。
だけどそこには…ただの壁の感触しか無く。
「芹霞、芹霞!!?」
だから――
見逃していたんだ。
背後から、俺に忍び入る…影の存在を。
そして俺がそれに気付いた時。
「お前が…BR002?」
そんな声と共に…俺は銀色の光を見て、意識が薄らいだ。
腹の激痛と共に。
「これが…――
かつての制裁者(アリス)№2?
何と…容易い」
きっと幻覚だ。
芹霞が壁に消えるなんて。
そして俺を見つめた銀色が…
氷皇にそっくりだったなんて。
「願い求めよ。
さすれば我は汝等に与えん。
さあ……求めよ。
汝の願いは如何に?」
何処かで、あの声が聞こえた。
願えば、求めれば……叶うのか、本当に?
だとしたら俺は――。
芹霞…。
俺は――…。