シンデレラに玻璃の星冠をⅠ

・停止 玲Side

 玲Side
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赤紫から瑠璃へと。

瑠璃から赤紫へと。


幾度も移ろう、不安定な世界。


それは…ああ。


金緑石(アレキサンドライト)のようだ。



まるで僕の感情のように、


まるで僕の想いのように。


熱さと寒さを伴って。



そしてそれは。


粉々に砕け散り、消えてしまった。



苦しいよ。


辛いよ。



ねえ、芹霞…。



どうして僕が贈った金緑石…


壊してしまったの?



大切じゃなかったの?


ただの石ころだったの?



僕は――



君への想いを詰め込んだのに。


僕の想いの結晶だったのに。

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