シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
いつだって――
僕の心は君には届かない。
僕の叫びは消えてしまう。
僕だけがぐるぐると、同じ処を流離いながら、
そして君は、別の軌道で違う男に笑いかけているんだ。
他の男との思い出だけを
大切にするんだ――。
僕は何?
君にとって、僕は何?
お母さんなんて嫌だ。
お兄さんだって嫌だ。
僕を1人の"男"として見てよ。
僕に執着してよ。
僕なしで生きれない程、僕を必要としてよ。
いつまで僕は――
こんな辛い想いを抱えていないといけないの?
昔なら…諦められた。
すっぱりと、潔く。
辛いなら、辛く思わなければいい。
甘い夢を見なければいい。
夢を見たら最後、僕は望んでしまうから。
だけど、いつだって僕は望んできたんだ。
本当の"僕"を、孤独に喘ぐ"僕"を見つけて欲しいって。
欲しかったのは同情ではない。
ただ――
"僕"を見つけて欲しかっただけ。
僕の生きている意味を、
知りたかっただけ。
だけど、それは儚い望みだと思えばこそ、僕は流されることしかできなかった。
誰にも執着せず、誰からも好かれるように振る舞うしかできなかった。
結果――
僕はいつも1人で。
"運命"の相手を、ずっと待ち続けるだけで。