シンデレラに玻璃の星冠をⅠ


君の左の薬指についている赤い糸。


それは誰に繋がっているの?


君が"永遠"と"運命"を捧げた相手?


僕とは――

繋がっていないの?


僕は――

君にとってはただ過ぎ去る存在?


僕は――

赤い糸で留めておくことは出来ないの?

縛り付けておくことが出来ないの?


そんな存在だから…


"大切"に思ってくれないの?


僕は――


ただの他人なの?



――嫌だ。


そんなの嫌だ。



僕だけのことを考えてほしい。


僕だけを思い悩んで欲しい。



そう思ったのは事実。


例えそれで君を悲しませようとも、それでも僕を思ってくれるのであれば。


それでもいいかとも思った。




だけどね…


やはり辛いよ。



僕は、君に笑っていて欲しいから。


僕の隣で、ずっと笑って欲しいから。



僕にとって君は、凄く大切で。


櫂とは違った意味で、必要な存在で。



ああ、どちらも大事なんだ。



ごめんね、芹霞。


ごめんね。



こんな態度をとるしかなかった、僕を許して。



僕は本当に――…



君が好きだから…。



好きなんだよ…?
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