シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
 
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何処までも何処までも、僕は彷徨(さま)い歩く。


夢幻に続く薄い硝子の上を。


向こう側で芹霞が笑うから。


――玲くん、早く来て。


笑って手招きするから。


だから僕も微笑んで、愛しい彼女の名を呼びながら、足を速めたんだ。


だけど。


近付いたと思えば遠く離れ、

どんなに急いでも距離は縮まらない。


もしこの足場が崩れてしまったら…?


見下ろせば、深く暗い奈落の底。


そこには――

僕を見上げる女がいる。


――オイデ、オイデ。


両手を拡げて僕を待っている。


――ワタシダケノカワイイレイ。


嫌だ。


僕は、あんな狂女の元に行かない。


僕は違う。

僕は狂ってない。


僕は生きるのはあんな暗い地底ではなく、


――玲くん、こっちこっち!!


もっと…心温まる日が差した世界。


芹霞。


芹霞。


抱きしめたい。


僕の芹霞。

僕だけの芹霞。


愛しい…ただ1人の女性。



ピシッ。



――その時。


硝子の道に皹が入り、僕と芹霞の道が崩れ始めて。
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