シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
 
「我が力に従いて、その力、ここに聞こし召し給え

急急如律令!!!」


そして小猿くんの手の中の紙は――


ぽんっ。


とでも擬音語が付きそうな…


そんな元気いい音を奏でそうな雰囲気で人型となり。


あたしの家を壊した悪戯小々猿に変身した。


途端にダレたり、遊び出したり。


本当に成長が見られない、どうしようもない奴らだ。


その内の一匹が、両手拡げてあたしに駆け寄ってきて。


ああ判る。


家であたしに懐いてくれた小々猿だ。


こういう、判りやすい愛情表現をしてくれれば愛着も湧いてくる。


「おい、だから!!! お前達が気に入った奴らを探してくれ…って、おい!!! 寝るな、起きろ!!!」


駄目だ。


小々猿使いも成長がない。


ああ、小猿くん…途中まで格好よかったんだけれど。凄い流石なんて思ってしまっちゃったけれど。


彼の未来に期待しよう。


あたしは、懐いてきた小々猿を肩に乗せながら、やる気のない…他の小々猿集団の前に仁王立ちをした。


「主の言うこと聞かないと…痛い目に遭うよ?」


怒り抑えてそう言えば。


突如小々猿は顔色を変え、皆同時にこくこく頷き、ぽんっと…また音が聞こえてきそうに…消え去った。


紙にならないから、真面目に仕事に行ったようだ。


「どうして…素人女の方が、あいつら懐柔出来るんだ…?」


小猿くんは、落ち込んだように項垂れた。

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