シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
・救出 桜Side
桜Side
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長い夢を見ていたような気がする。
夢なのに夢だと判っている…明晰夢。
そこには櫂様と玲様が居て。
櫂様は太い鎖と枷で繋がれた四肢を、思い切り動かして、仰け反るようにして私達の名前を叫び…そして、項垂れるように頭を前に垂らすと動かなくなった。
乱れた漆黒の髪が零れ落ちる刹那、櫂様の目から光ったのは…涙だったのだろうか。
櫂様の元に駆け付けようとした私は、今度は玲様の声を聞いて動きを止めた。
ベッドに繋がれていた玲様。
胸を掻き毟るような動作は…
――発作!!?
夢だと思えども、夢とは思えぬ…何という残酷な悪夢。
気づけば。
私は、玲様の身体を両手に抱いていて。
「……助け…て…」
その唇から漏れる、玲様の壊れそうな心の声を聞いた。
蒼白な頬に、流れ落ちる涙。
「行かないで…芹霞…櫂…」
消えてしまいそうな…懇願の声。
「ああああああ!!!」
そして葛藤のような絶叫。
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長い夢を見ていたような気がする。
夢なのに夢だと判っている…明晰夢。
そこには櫂様と玲様が居て。
櫂様は太い鎖と枷で繋がれた四肢を、思い切り動かして、仰け反るようにして私達の名前を叫び…そして、項垂れるように頭を前に垂らすと動かなくなった。
乱れた漆黒の髪が零れ落ちる刹那、櫂様の目から光ったのは…涙だったのだろうか。
櫂様の元に駆け付けようとした私は、今度は玲様の声を聞いて動きを止めた。
ベッドに繋がれていた玲様。
胸を掻き毟るような動作は…
――発作!!?
夢だと思えども、夢とは思えぬ…何という残酷な悪夢。
気づけば。
私は、玲様の身体を両手に抱いていて。
「……助け…て…」
その唇から漏れる、玲様の壊れそうな心の声を聞いた。
蒼白な頬に、流れ落ちる涙。
「行かないで…芹霞…櫂…」
消えてしまいそうな…懇願の声。
「ああああああ!!!」
そして葛藤のような絶叫。