シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
少し。
少しだけなら。
少しだけ、苦しみをやわらげられれば。
私は玲様に声をかけながら、その紫色の唇に液体を垂らした。
「ごめんなさい…玲様…」
たとえ夢だろうと。
私は玲様を、更なる悪夢の深みに連れて行ったんだ。
「ごめんなさい、玲様…」
ああ。
現実はどうなっているのだろうか。
夢から醒めた時、玲様の穏やかな微笑みが見たい。
芹霞さんを避けるでもなく、辛そうな表情をされずに。
玲様が大切になされている人たちと、談笑する玲様が見たい。
この願いは叶うだろうか。
叶ってもらいたい。
そう思った時――
「願い求めよ。
さすれば我は汝等に与えん。
さあ……求めよ。
汝の願いは如何に?」
性別も年齢も推し量れない、そんな不可思議な声が聞こえて。
私の背中をとん、と押した。
だから私は――