シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
・現実 玲Side
玲Side
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「――…櫂。
助けに来たよ。
――帰ろう?」
そう言って、芹霞は――
悪臭漂い…原形留めぬ醜悪な物体に―
迷うことなく唇を寄せた。
その声音。
その表情。
その仕草。
僕は――
動くことが出来なかった。
芹霞、芹霞。
今、君がどんな表情をしているか判っているのか?
目の前の腐乱死体が、櫂だと思えば…
ああ――
そんなに愛しく思えるの?
それを見ている立場なのが、
溜まらなく悔しい。
溜まらなく苦しい。
君にそんな顔をして貰えるのなら、
僕は腐乱死体にだってなりたい。
嫌だ。
櫂の処に行かないで。
こっち向いてよ、芹霞。
僕の処に来てよ。
もう一度、僕を見て…
――玲くん。
僕を頼りきった…
あの柔らかな笑顔を見せてよ。
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「――…櫂。
助けに来たよ。
――帰ろう?」
そう言って、芹霞は――
悪臭漂い…原形留めぬ醜悪な物体に―
迷うことなく唇を寄せた。
その声音。
その表情。
その仕草。
僕は――
動くことが出来なかった。
芹霞、芹霞。
今、君がどんな表情をしているか判っているのか?
目の前の腐乱死体が、櫂だと思えば…
ああ――
そんなに愛しく思えるの?
それを見ている立場なのが、
溜まらなく悔しい。
溜まらなく苦しい。
君にそんな顔をして貰えるのなら、
僕は腐乱死体にだってなりたい。
嫌だ。
櫂の処に行かないで。
こっち向いてよ、芹霞。
僕の処に来てよ。
もう一度、僕を見て…
――玲くん。
僕を頼りきった…
あの柔らかな笑顔を見せてよ。