シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
目の前で、愛おしい女性が蹂躙される。
凶暴な男に、僕の力では太刀打ちできず。
僕はその屈辱に、怒りに…声にならない声を発した。
仰け反る身体が、白い光に包まれる。
「玲、やめろ、その力は!!!」
櫂の慌てた声。
僕は――
芹霞を奪う男は許さない。
こんな結末を迎えたくて、必死に想いを抑えて芹霞を遠ざけたわけではない。
芹霞を巻き込みたくなくて。
芹霞を守りたくて。
そして何より櫂を守る為に。
櫂をきちんと守る意志さえ見せれば。
芹霞よりも櫂を優先させることが出来れば。
芹霞に手を出さないと言ったから。
終始ついていた監視の目。
それを欺くために僕は!!!
――玲くんなんて大嫌い!!!
しかし僕の渾身の力は――
「玲!!!」
いとも容易く…久涅に無効化され。
「ああああ!!!」
僕は頭を掻き毟りながら…絶叫した。