シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
・排斥 櫂Side
櫂Side
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「何で――…
紫堂の警護団が、俺達を襲う?」
見間違えるはずがない。
長年、本家で顔をあわせてきた仲だ。
紫堂本家から消えた警護団幹部達が、揃って俺達の敵側に回っている。
どういうことだ?
「控えよ!!!
お前達――…
櫂様を見忘れたか!!!?」
桜が大声で怒鳴った。
「恐れながら団長」
片手で警護団の全ての動きを制し、桜に頭を垂らして前に進み出たのは、
「我ら警護団。紫堂当主の命を受け、次期当主をお守りするように申し付かっておりますれば」
紫堂警護団、副団長。
童顔の男。
桜ほどの腕はないが、中々の実力者だ。
「ならば何故!!?
何故に紫堂の次期当主に刃を向ける!!!?
狂ったか、お前達!!!」
いつも寡黙で無表情の桜が、煌以外の人間に、ここまで声を荒げたのを見るのは、初めての気がする。
「いいえ、狂ってなどおりませぬ。
これも命令を遂行したまで。
だから――
次期当主をお守りしておりまする」
何度も何度も繰り返す。
正式な次期当主たる俺の前で。
己の欲を顕示させてその肩書きを欲しがるだけの…俺と似ている兄だという男を、次期当主だと言うのか。
そう信じるのか。
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「何で――…
紫堂の警護団が、俺達を襲う?」
見間違えるはずがない。
長年、本家で顔をあわせてきた仲だ。
紫堂本家から消えた警護団幹部達が、揃って俺達の敵側に回っている。
どういうことだ?
「控えよ!!!
お前達――…
櫂様を見忘れたか!!!?」
桜が大声で怒鳴った。
「恐れながら団長」
片手で警護団の全ての動きを制し、桜に頭を垂らして前に進み出たのは、
「我ら警護団。紫堂当主の命を受け、次期当主をお守りするように申し付かっておりますれば」
紫堂警護団、副団長。
童顔の男。
桜ほどの腕はないが、中々の実力者だ。
「ならば何故!!?
何故に紫堂の次期当主に刃を向ける!!!?
狂ったか、お前達!!!」
いつも寡黙で無表情の桜が、煌以外の人間に、ここまで声を荒げたのを見るのは、初めての気がする。
「いいえ、狂ってなどおりませぬ。
これも命令を遂行したまで。
だから――
次期当主をお守りしておりまする」
何度も何度も繰り返す。
正式な次期当主たる俺の前で。
己の欲を顕示させてその肩書きを欲しがるだけの…俺と似ている兄だという男を、次期当主だと言うのか。
そう信じるのか。